秋田県の森吉山や白神山地を背景に、自然の中で遊んだり学んだり。NPO法人 冒険の鍵クーンがご案内します。

あきた野生生物ジュニアレンジャー 活動報告

あきた野生生物ジュニアレンジャー「森の生き物を探そう!キャンプ」
2018年 7月15日~16日   於:県立奥森吉青少年野外活動基地 他

ここ森吉山麓は、古くから野生生物とヒトとが適度な距離感で暮らしてきた地域です。人もクマもコウモリも同じエリアを行き来しつつ、お互いが過度に干渉することを上手に避けてきた"知恵"を体験しましょう。

2018年 7月15日

午前(移動 ~ テンティング ~ 昼食)

各集合地からキャンプ場管理棟に到着。オリエンテーションの後、さっそくテントを立てました。
今回は人数も少なく3張り立てるだけだったので、管理棟のすぐ前に立てました。
立てた後は、管理棟テラスでお弁当の昼食。天気も良く気持ちよい時間でした。

午後
(センサーカメラを森に仕掛ける)

お腹がいっぱいになったところで、森にセンサーカメラを仕掛けに出かけました。
遊歩道沿いに歩き、動物の痕跡があったり、いかにも動物が通りそうなところを見ながらセッティング。新品5台を含み、全部で7台仕掛けました。
今回のチャンスは1晩だけですが、期待しながら管理棟へ戻りました。

(BBQ&夜食クッキング)

今日は、夕方から夜にかけてコウモリを見に出かけるので少し早めの夕食。BBQ&焼きそばを作って食べました。夜食のおにぎりも作って準備は万端です!

夕方~夜(こうもりウォッチング)

森吉山野生鳥獣センターへ移動。森吉山でコウモリ類の調査をしている、NPO法人コウモリの保護を考える会の方から、まず館内でレクチャーを受けました。
日没頃になったので、いよいよフィールドへ。コウモリ探しの秘密兵器"バットディテクター"(コウモリが発する超音波)を拾って、人間が聞こえる音に変換する機械)を持って森に入りました。あたりが暗くなってきた頃水辺に到着すると、機械に様々な音種の反応が出てきました。間違いなくすぐ近くを数種類のコウモリが飛び交っているのですが、残念ながら暗くて肉眼では捉えることができません。暗視スコープでも覗いてみたのですが、動きが早く、視界を横切ったことは確認できてもその姿ははっきりとはわかりませんでした。でも、すぐ近くを通り抜ける羽音を聞いたり、かなりの数のコウモリがいることを実感することができました。
その後、講師の方は許可を得て仕掛けておいた、コウモリ用の罠の確認へ。私たちは一旦管理棟へ戻り夜食とシャワー。すると、講師の方が罠にかかった"生"コウモリを持ってきてくださり、みんなでじっくり観察することができました。

(夜食 ~ シャワー ~ 就寝)

"生"コウモリの興奮もさめやらぬまま、テントに入り寝袋にくるまって就寝。明日もいろんな動物に出会えることを祈りました。

2018年 7月16日

(起床 ~ 朝食)

テントで目覚め、朝の身支度ののち朝食。

午前(センサーカメラの画像チェック)

昨日仕掛けたセンサーカメラの画像をチェックするため、森へでかけてカメラのSDカードを回収してきました。
さっそくプロジェクターにつなぎ、7台分すべてをチェック。たった一晩だけの設置でしたが、7台中5台のカメラに動物の姿がとらえられていました。遊歩道沿いのヒトが多く出入りする場所にもかかわらず、動物たちも頻繁にこの道を行き来して暮らしていることが如実にわかり、驚かされました。

昼食(ダッジオーブンクッキング)

動物のお話しは一旦休憩。昼食に、近頃のキャンプの定番、ダッジオーブン料理に挑戦しました。
メニューは丸ごとキャベツのスープ煮パスタ。ベーコンに玉ねぎ、にんじん、トマトなどをざっくりと切り、キャベツは芯だけ抜いて丸ごと鍋に入れて火にかけます。味付けはコンソメと塩コショウ。水は加えず、野菜から出る水分だけで作ります。ダッジオーブンは火の管理だけで、鍋にはいっさい手を加えず、混ぜることすらやりません。キャベツが煮えたら完成。別鍋でパスタを茹でておいて、和えてスープパスタにして食べました。
手間いらずですが、とても美味しくできました。

午後
(どんぐりの森作り)

キャンプ地に点在している、放棄牧草地を動物もヒトも暮らしやすい森にするため、ドングリの木を植えました。みんなが大人になるころにはきっと立派な森ができていることと思います。

(帰路)

テントを片付け、各自の荷物をまとめて帰路につきました、あっという間でしたが、天候にも恵まれなかなか濃密な二日間でもありました。

森のそこかしこには動物の痕跡が見られますが、ヒトが森を伐採して草地にしてしまったところには、それほど多くの痕跡は見られません。見通しが良すぎて、森のような頻度で動物もヒトも往来するとお互いにすぐ気付いてしまうからかもしれません。比較的、森の中では両者がそれぞれ暮らしていけるような感じが、このキャンプで体験できたように思います。このような経験を通じて、動物とヒトとの適度な距離感を身に着けていくことができるとを切に願います。
今回も、保護者の皆さま及び地域の皆様にはたいへんお世話になり心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

<協力>
  • NPO法人 こうもりの保護を考える会
  • 環境省東北事務所
  • 秋田市教育委員会
  • 北秋田市教育員会
  • 大館市教育委員会
  • 五城目町教育委員会
  • 上小阿仁村教育委員会
  • 国際教養大学
  • 秋田大学
  • 秋田県立大学
  • 日赤秋田看護大学

※このプログラムは、セブンイレブン記念財団の助成を受けて実施しました。

参加者の方へ
当プログラムの写真ダウンロードサービスは終了しました。