秋田県の森吉山や白神山地を背景に、自然の中で遊んだり学んだり。NPO法人 冒険の鍵クーンがご案内します。

あきた野生生物ジュニアレンジャー 活動報告

あきた野生生物ジュニアレンジャー「列車でGO!クマの冬眠ウォッチング」
2019年 1月26日   於:阿仁 くまくま園

JR在来線特急や秋田新幹線、スマイルレール内陸線をグルっと乗り継いで、クマの冬眠ウォッチングに出かけました。

2019年 1月26日

列車でGO!(秋田駅~鷹巣駅~阿仁マタギ駅)

秋田駅で集合後、ひとりずつ自分で切符を通して自動改札を通過しました。さすが鉄道好きだけあって、向かいのホームから出発していく「リゾートしらかみ」をしっかり見送り、乗車する「つがる1号」の入線を待ちました。先頭車両で写真を撮ってから乗車。指定席だったのですが、自由席が空いていて、みんなで集まって座れるのでそちらへ移動。途中、車内検札に少し緊張しましたが、とても優しい車掌さんでした。
鷹ノ巣駅で下車。すぐ隣にある内陸線の鷹巣駅へ。(内陸線の駅名には何故か「ノ」がありませんでした。)少し時間があったので、ちょっとだけ雪遊び!すると、駅に”マタギ”さん登場!いっしょに記念撮影しました。改札が始まったので、角館行の普通列車に乗車。車両は内陸線名物「犬っこ列車」。かわいい秋田犬の写真がたくさん掲示され、座席の生地も犬模様でした!
阿仁マタギ駅で下車。無人駅でした。打当温泉のバスが迎えにきてくれていて、乗り換えて10分足らずで到着。広間で昼食のカレーを頂きました。

クマの冬眠ウォッチング

打当温泉からくまくま園へ、車で5分ほど。冬期閉園中の園内は雪に覆われていました。まずは、ツキノワグマの冬眠ウォッチング。飼育員さんに、今年の冬眠の様子やそれぞれのクマの個性などの"生"情報を伺いながらウォッチング。クマ達は上手にワラを集めてベッドを作り、その上で丸くなって寝てました。子供たちは恐る恐る静かに見ていたのですが、1頭起こしてしまったようで、寝ぼけた様子でこちらを見てました。飼育員さんによると、普段でも時々起きてワラを直したりしているそうなので、それほどお邪魔にはならなかったと思います。

放飼場で雪遊び~レクチャー

あまり長居をしてこれ以上起こしてしまうといけないので、ウォッチングは終了。引き続き、通常では絶対入れないヒグマの放飼場へ入らせてもらいました。厳重な柵が2重になっているゲートを抜けて、無雪期はヒグマ達が遊んでいる広場へ。冬眠中は誰も入っていないきれいな雪の丘で雪遊びをしました。いつものヒグマ達に負けないぐらい、元気に遊ばせてもらいました。ひとしきり遊んでから、ヒグマ舎2階にあるレクチャールームへ移動。飼育員さんのお話しを思い出しながら、クマの骨を触ってみたり、足跡の石膏の大きさにあらためて驚いたり、クマとヒトについていろいろ話し合いました。

列車でRETURN!(阿仁マタギ駅~角館駅~秋田駅)

阿仁マタギ駅まで車で送ってもらって、再び内陸線に乗車。今回は「急行もりよし3号」です。車両は往路と色違いの「犬っこ列車」。アテンダントさんが乗車していて、いろいろ案内してくれました。
40分ほどで角館駅に到着。いよいよ「こまち25号」に乗換です。まあまあ混んではいましたが、向かい合わせにできる席を指定することができ、お菓子交換大会(?)をしながら秋田新幹線の旅を楽しみました。
定刻に秋田駅到着。かっこいい先頭車両に写真を撮りに寄ってから改札口に向かいました。

いつもはバスや車で、ただ"乗る"だけで目的に到着できたのですが、今回は列車を乗り継ぐことで、切符の準備をしたり、列車のホームを探したりと移動自体にもやることがあるプログラムでした。鉄道好きな子供達だったためか、いつも移動でありがちな「あとどれくらいで着くぅ~?」という定番(?)の質問も無く、移動そのものを楽しむことができたように感じました。
また、なかなか見ることが難しいクマの冬眠を、飼育下のクマとはいえ間近に見ることができ、普段は絶対に入れない放飼場で雪遊びなど貴重な体験を重ねることもできました。
さらに、今回ツキノワグマの冬眠は見れましたが、ヒグマは冬眠状態が安定しておらず見ることはできませんでした。このことは、"寝てるだけ"といっても、5ヶ月もの間飲まず食わずで過さなければならない「冬眠」という行為が、クマ達にとってはまさに"命がけ"であることも知ることができ、強そうなクマでもその命はとても繊細であることに気付かされた良い機会だった思います。
今回も、保護者の皆さま及び地域の皆様にはたいへんお世話になり心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

※このプログラムは、セブンイレブン記念財団の助成を受けて実施しました。

参加者の方へ
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